橋本病について
橋本病は、自分の体を守るための免疫が、本来反応しないはずの自分の甲状腺に異常に反応してしまうことによって起こる病気です。遺伝的な体質とストレスなどの環境要因が関与して免疫異常が起こると考えられています。
橋本病の症状
典型的な橋本病では甲状腺全体がゴムのように硬くなり、大きく腫れてきます。
橋本病の4〜5人に1人は甲状腺機能低下症を伴っており、この場合は顔や手がむくむ、あまり食べないのに太る、寒がり、便秘がちといった症状が現れます。
橋本病の治療
甲状腺機能が低下している患者さんは甲状腺ホルモンを補充する飲み薬が必要になります。
この飲み薬は永続的に飲む必要があります。
甲状腺機能が低下していない患者さんも、将来甲状腺機能低下症になる可能性があるので定期的に甲状腺機能の検査が必要です。
特に甲状腺の腫れが急に大きくなってきた時は機能低下症になっている可能性があるため検査が必要です。また妊婦は軽度の甲状腺機能低下症でも胎児の発育に影響が出る可能性があるので妊娠がわかったらすぐに受診してください。
ヨードを多く含んだ食品を『積極的に摂取する』ことを控えてください。ただし日本食は“だし文化”でもともとヨードがたくさん入っています。
避けているとキリがないので積極的に昆布をたくさん食べたりなどしなければ通常の食事で構いません。
橋本病の原因は自己免疫ですので、免疫反応が強くなるようなことがあると悪化します。
よく知られている要因を表にまとめました。これらの要因は、同じ自己免疫による病気であるバセドウ病を悪化させる要因と共通しています。
要因
バセドウ病や橋本病の原因である自己免疫に影響を与える要因です。
- ストレス
- 出産
- 花粉症
- ヨードを大量に含んだ食品の摂取
- ヨードを大量に含んだ薬(造影剤、アミオダロンなど)
- ウイルス性肝炎に対するインターフェロン治療
- 子宮内膜症や不妊治療に使われる薬(スプレキュア、ナサニール、ゾラデックス、リュープリン)
- 副腎皮質ステロイドの急な中止