糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は持続的に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなる病気です。
糖尿病にはいくつかのタイプがあります。
日本人の90%以上は2型糖尿病というタイプになります。
40歳以降発病することが多いです。
血糖値を下げるインスリンホルモンの分泌が弱くなること(インスリン分泌能低下)、血液中の糖分が取り込まれる筋肉や肝臓、脂肪組織でのインスリンの効きが悪くなってくること(インスリン抵抗性)で血糖値が上がってきます。
インスリンを分泌する膵臓のβ(ベータ)細胞が破壊れ、インスリンの分泌がほとんどできなくなることで血糖値が上がります。
このタイプはインスリンが必須になります。
この他に、頻度は少ないですがその他特定の原因によるもの、妊娠糖尿病があります。
糖尿病はなぜ治療が必要?
高血糖が続くと様々な症状が出ます。
- 喉の乾き
- たくさん水分をとる
- おしっこの回数が多い
- 量が多い
- 疲れやすい
- 痩せていく
- かゆみ
などです。
これらの症状は血糖値を下げることで改善します。これが糖尿病治療の目的の一つです。
ですが糖尿病患者さんでこれらの症状がある人は一部であり、半数は症状がないまま健診や人間ドックで発見されます。
また高血糖が続くとインスリン分泌や合成を阻害し、インスリン抵抗性も高めます。
これを糖毒性と言いますがこれも血糖を下げることで回復させることができます。
糖尿病の合併症
慢性的な高血糖が 5 年、10 年、20 年と続くと慢性合併症と言われる血管障害が起こります。
糖尿病患者さんに特徴的な合併症で網膜症、腎症、神経障害があります。
目に起こる障害で、進行すると視力障害をきたします。
腎臓の障害で、侵攻するとむくみ、高血圧、心不全、貧血、骨粗鬆症、乏尿(おしっこが出なくなる)をきたします。
神経障害はまず足先から始まります。しびれ、痛み、足の裏に何かがくっついているような感じが出ます。自律神経が障害されると立ちくらみが出現します。
これらの合併症は糖尿病になってからの年数に比例して起こります。また高血糖が長く続いている方が起こりやすくなります。
糖尿病の治療
糖尿病は生活習慣病の一つと言われています。
生活習慣病とは生活習慣(食事、運動、日々のストレス)と密接に関わって発病する病気です。
まずは食事療法、運動療法を組み合わせて治療をします。それでもコントロールがつかない場合は薬の力を借りてコントロールしていきます。
あまりにも血糖値が高い場合には薬を初めから使うこともあります。
糖尿病の食事療法
血糖値のコントロール悪化を招く肥満は、摂取エネルギー量(食事の量)と消費カロリー量(運動の量)の不均衡で起こります。
つまり消費エネルギー量以上に食べてしまうと肥満になり、血糖値が上昇します。
糖尿病の食事療法は患者さんの体格に合わせた摂取エネルギー量を設定することから始まります。
次にバランスよく食べることが大事です。
総エネルギー量の50%強を炭水化物、20%をタンパク質、残りを脂質とします。
低炭水化物ダイエットは短期的に体重を落としますが、長続きしないことが問題です。
持続可能な食事療法を行いましょう。
糖尿病の運動療法
運動療法は一回の運動で血糖値を下げられるほか、継続的に行うことでインスリン作用を改善する効果や血圧低下、脂質に対する望ましい効果が期待できます。
運動療法は食事療法と併用してこそ効果が出ます。
つまり運動してもそれ以上に食べてしまえば効果がありません。
重症の網膜症や心臓に病気がある場合は運動により症状を悪化させる恐れがあるため運動をしていいか確認をしましょう。
週に合計150分間運動できることが望ましいです、もちろんこれ以上できる方はぜひ行ってください。
有酸素運動(散歩、ジョギング、水泳)と無酸素運動(スクワット、短距離走、筋トレ)を組み合わせることも効果的です。どちらかに偏らないようにしましょう。